みーみーいうのをやめるのだ

ナズーリンはマーガリンではなくガガーリン

くすり指の教科書について【くすり指@メイト】

おまけ 2は⇒こちら

”くすり指の教科書”は、使用上の注意をよく読んでからご使用ください。 (ぱか)


■くすり指の教科書とは

1996年4月5日発売。アドベンチャーゲーム*1

◇対応ハード
[CD-ROM] Windows95PC-9801/21・FM-TOWNS(Marty)・Macintosh
[3.5/5"FD] PC-9801
コンシューマに比べて敷居が高かった*2ので、限られた潜在顧客を呼び込むために複数媒体でリリースもよくありました。ハードウェアがとにかく多様でしたし

◇メーカー
・Active(アクティブ)
1991~05年まで活動したアダルトゲームブランド。"聖少女"と説明すれば一部の人には伝わるかもしれない。代表作に「Bible Black」など
コミカル系とシリアス系の反した作品を発表していました。

◇内容
・ヒロイン
田中 ともみ
apart09n  幻の正面絵

坂田 有美(ありみ)
apart02

西村 (もえ)
apart10

香住 千里(せんり)
apart13

・主人公
武田 俊夫

登場人物はサブキャラクター含めても10人いないため、今どきの漫画やラノベのようにキャラ多すぎて混乱することはありません

原画担当は風上旬*3氏。

BGMは全16曲。FM音源MIDIの2種存在
RolandSC-88(一部SC-55)で作曲されていますが、他音源(YAMAHAやWin標準など)でもそれなりに聴けます*4


BGM一覧

MUSICxx曲名備考
00くすり指の教科書オルゴールバージョンFMはビブラフォン(MusicBoxの代用?)
01くすり指の教科書(TV-EDIT)
02お散歩のテーマ汎用テーマ
03ともみのテーマ“今日もいい天気!”
04有美~ありみ~のテーマ
05ほんの少しの勇気を君に萌のテーマ
06淋しくなんかないもんね!千里のテーマ
07部屋のテーマ
08お散歩テーマ2
09お遊びのテーマ
10学校のテーマ
11海辺の告白(ピアノアレンジ70's) Seashore(波音)はMidiのみ
12りんどうの咲く丘で(Hシーン)
13遠い約束おそらくゲームの企画前に作曲('93,4月)
14怖い曲
15想い出のオルゴールメドレー(部屋/海辺/ほんの少し/いい天気) FMビブラフォン


MUSIC00~09, 15のMIDI版はFMより半音フラット。音源の相違で情景の違いが楽しめる
テンポ(BPM)も微妙に異なり*5、OP映像にはFMの速さが合う気がします

純愛系として欠点らしい欠点が"短い"*6くらいしか見当たらないです。
個人的にはパッケージのデッサンが少々不安でしたが、ゲーム内ではそんな事なくしっかり魅力が詰まってて、良い意味で裏切られました
「16bitセンセーション」アニメ版などでPC-98やタイリング技法を知った人辺りにはかえって真新しさを感じさせそうな作品。
当時のActiveファンからも概ね好評だったようす。

くすり背景
くすりの背景はすべて5色(紺3+白黒)で打たれている


■所感

プレイヤーはナレーション役(三次元から二次元を覗くような視点)ですが、いつのまにか主人公に投影・感情移入してる自分がいます
フィクションの世界では主人公が嫌味に映る*7ほど、作品全体まで悪く見える傾向にありますが、そういったものは感じさせません。
『筋肉ぶりばり娘』『嫌じゃん嫌じゃん嫌じゃ~っ!』など妙な言い回し(ひとりごとや会話)がユニーク。

ヒロインもそれぞれ魅力的です。ギャルゲ・R18・G・稀に女性向けとあまり食わず嫌いしませんが、攻略対象のキャラ全員がよかった作品はそれほど多くはなかったな と。

作中で主人公が手料理を振る舞うシーンがあり、成長期なのか大食いなのか、み~んなよく食べます。主人公との距離感が近く感じられ、なかなか心地いいです

apict06

・俊夫の手料理をふるまわれた方々
 千里 『……(ゴクッ)』
 ともみ『ぷっはぁ~。ごちそうさまっ。』
 有美 『俊夫君、お母さんみたい~。』
 幸弘 『お前さぁ、なんで女に生まれてこなかったんだ?』

いつか再現*8して作ってみたい~

いちおう一番好きなキャラは千里。凛とした見た目だけど 極度の寂しがりやで関西弁。目の肥えた今でもめちゃくちゃかわいい!
彼女に応える主人公も紳士でカッコよく シナリオ自体もお気に入り
おまけシナリオも唯一、本編の後日談となっていて これまたいいんだ……


■くすり指@メイトの制作与太話

90年ゲーマーはFM(より)MIDIを好む傾向で、作曲者のゆうき氏もMIDIを推しています(後述)
ただ令和に染まった私には両方捨てがたく、どちらも耳コピ再現しました(OP:FM,Menu:MIDI 後者は繋ぐ都合で移調)
原曲でなく申し訳ないですが、コンテンツ(楽曲や映像やゲーム)をもっと深く心に刻むために制作してるので、あえて手間のかかる選択を普通にします。

ほかの誰も作らないようなもの上げるので許せカツオ

レトロゲームではアルファチャンネルが扱えないので、パレット書き換えによるフェードが基本。
各動画編集ソフトでは不透明度・輝度・明度を変えるフェードしかできないので、完全に再現するなら埋め込むか、各フレーム毎の画像を別途に用意して切り替えるしかありません

くすりの場合、
フェードイン:各ビット+1ずつ加算
終端が853(RGB)なら
000,111,222,333,443,553,653,753,853,853... といった感じ
フェードアウト:各ビット-1ずつ減算 (0止まり)
始端が853(RGB)なら
853,742,631,520,410,300,200,100,000,000... といった感じ
※フレームスキップを考慮して適度に間引くため-2ビットするFも

フェードtable

という仕様。

フェード用差分作成が 最も作業時間かかってしまった。。。
CG4枚だけでも100枚の差分(没や諸々込みだと300はある)

掛かった労力にたいして、見た目の違いはささやかですが、まぁ
作り切ったのでよしとします よくねぇよ_(:3」∠)_
そもそもつべやニコに上げる時点で*9実機と同色で表示するのはほぼ不可能ってんのに……

OPやメニューのテキストは バイナリとにらめっこ して作成。
バイナリeditor

セリフはシナリオ内から抜粋したもので、実際のOPとは異なります
HP*10の紹介文を踏まえ、純愛寄せに。(未使用版verはギャグ寄せ)
"透き間"という単語が用いられますが、誤字というよりニュアンスの違い?
(隙:穴や空間、暇的な意味合いが強い)
隙が常用漢字ではなかった(~2010年)のも影響してるかも

動画でチラッと映るウィンドウグラフィックは聖少女氏製作。

くすり指の教科書、私はあんまり参加できなかったけど、CGを数枚、あと枠CG作
ったり、レイアウト手伝ったりとちょこちょこやりました。 (聖少女)

数あるレトロゲーウィンドウの中でもすごく気に入ってたので組み込みました。ノスタルジィ!


今回は Windows95 対応版もでるということで、やっとMIDIで曲が鳴りますね。うれしいっすぅ。
ぜひとも、MIDIで聴きましょうねぇ・・・SC88推奨です(笑)。
あーでも、FM音源の場合、もひとつかもしれんなぁ・・・

そんななかでもお気に入りは、オープニングテーマで、「アニメのオープニングにしてもええんちゃうん?」とか思いながら作りました。

そうだ、このオープニングの歌詞をここで大募集しましょう!!
「これは!!」というのがくれば、ロングバージョンの制作もあるかもしれんし、もしかしたら「歌あて」もできるかもねぇ。
さぁ、みんな気合い入れて送ってきてくれよぉ。楽しみに待ってます。 (如月ゆうき)

よもや28年後に"@"に浸食されるとは・・・(実行犯の供述)

かなり親和性の高いふぃぎゅ@が大ヒット*11しましたが、10年前とはいえ、くすり指の楽曲も素晴らしかったです。
オープニングテーマのフレーズが殆どの曲に散りばめられていて、一体感やキャッチーさに溢れていました
全曲好きですが、千里のテーマで"MOTHER*12"感のある『淋しくなんかないもんね!』(MIDI)・読み手をあたたかく迎えてくれる『部屋のテーマ』(FM)・サウンドテストで唯一聴けないメドレー『想い出のオルゴール』がとくにお気に入りです~

ちなみに風上氏はふぃぎゅ@予約特典「FIGU@BOOK」でゲストとして描き下ろしを提供しています。ゲームの世界って意外に狭くて繋がってるなぁ……って

そりじゃえんいー


(引用部分はおまけテキスト [HAJIKAKI.TXT] より)

▶―――作品をもっと詳しく知りたい方へ――― ◇用語集 アクティブ恋愛方程式 Encyclopaedia より


田中ともみ(たなかともみ)

・くすり指の教科書に登場。
・ひらがな名前は、当時筆者のマイブームでした。
・初回ラフの犬の口がたまりませんネ!
・めざせ親子丼(謎)


坂田有美(さかたありみ)

・くすり指の教科書に登場。
・「有美姫」のネーミング設定はあまり活かされてません(ダメですね)
・個人的にはチョコレートを渡すシーンがラブラブです。フラれるんですけどね(汁)
・キャラメイクの時、名字を「坂田」と「酒田」どっちにするか悩んだ事実があります。
・「坂田」にした理由は「アホの坂田(asタッチオジサン)」のインパクトが強かったからです。
・だからってアホじゃありませんよ。この娘は。って、あちらの方もだと思いますが(^^;


西村萌(にしむらもえ)

・くすり指の教科書に登場。
・ともみ、俊夫(主人公)と幼なじみで三角関係で身を引くキャラとして存在。
・でも、思ったより引っ込みすぎて目立たなくて、名前負けしたかなと思っていたら。
・意外とユーザーの皆さんからご支持をいただけたのは主にビジュアルの勝利です。
・髪をほどくと千里に似ているとかいう事は、口が裂けたら痛い。
・今回髪を下ろしている理由は、「お仕事忙しいから、朝、髪まとめる時間がないの。わかりた?」(萌談)と、いうことらしい。はい、わかりまた。
 〔"わかりた?" は風上氏の同人誌で用いられた語〕

香住千里(かすみせんり)

・くすり指の教科書に登場。
・くすりキャラの中では、おまけシナリオと背負ったものの大きさで一番人気ですね。
・最後の雪合戦のCGは名作です。16色とは思えない。(見ていない人はZEHI!)
・名前は「ちさと」じゃなくて「せんり」と読みます(誤認率98%)
・何故「せんり」なのか?・・・それはFEPの変換効率がよかったからではありません。
・名前の由来は地名から来てます。香住は兵庫県の地名。千里は大阪は千里中央から。
・関西からの転校生だから・・・ベタな理由ですなあ。
・意外と食べます。彼女が貧乏暮らししてるのはエンゲル係数が高いからかも!(嘘)
・去年の秋にアクティブ一行は、この「香住」に巡礼を兼ねてカニを食しに行ったのです。カニー。


武田俊夫(たけだとしお)

・くすり指の教科書、くすり指の教科書2に登場。
・両方とも主人公級キャラクタですが、なんか性格かわった?(それは言わない約束よおっかさん)
・くすり2で顔が出ましたね。結構好青年って感じですがヤルこたヤッてます。
・実は「武田」って名字はくすり2作成時に無理やり付けられた名字だったのです。
・最初は「俊夫」だけしか設定されてなかった・・・はず(自信なくなってきたなぁ)
 〔姓は最初から付いてた〕

水原幸弘(みずはらゆきひろ)

・くすり指の教科書に登場。
・主人公の親友として登場。なかなか動いてくれた親孝行なキャラクタ。
・しかも謎の美少女として・・・おっと、これはトップシークレットだ。


田中良子(たなかよしこ)

・くすり指の教科書に登場。
・ともみの母親。
・Hシーンがあるので絵的に苦労があったと思います。
・めざせ親子丼(しつこい)


高田司(たかだつかさ)

・くすり指の教科書に登場。
・ともみを主人公と取り合いする男性キャラで主人公達より一年後輩。と、いう設定。
・もう少し目立たせてあげてもよかったなぁ・・・


雪(ゆき)

・くすり指の教科書シリーズで多用された冬のオチネタ(焦)
・筆者は恋愛物と言うと、雪とオルゴールを連想してしまうらしい。
・あとバレンタインデーとクリスマスも(単純じゃのぉ)
・千里シナリオの雪合戦シーンがお勧め!(謎)


くすり指の教科書(くすりゆびのきょうかしょ)

・ソフトの名前(をいをい)
・本の恋愛方程式でもあったように、実は途中で企画が半分程カットされてしまった事実アリ。
・おかげでおまけシナリオができたという話もあり。
・いやいや、最初から計算づくめだったんですよ(ほんまけ?)
・カットされた企画には、没にされたキャラクターもいました。
・たとえば千里ちゃんをいじめる女キャラクタ。ええ味出してたんやけどなぁ(原案は聖少女)
・で、千里ちゃんはなんでいじめられるのかというと、実は千里はマッドサイエンティストが作り出したロボット少女であって、それを理由にいじめられる日々。「ほ~らロボットには下のお口はあるんかぁ~?」とかそういうシーンがあったとかなかったとか。
・某マル○とは似ても似つきませんね(ヤバ)


◇筆者の好きな台詞

幸弘 「今日はもうやんぴ。俊夫絶好調だもんな。」

幸弘 「でかいもなにも、推定100cm以上は有るね。
    うむうむ。ってばかたれ! 何言わすんだよ!」
   「胸なんてなぁ‥‥‥
    合っても無くても、どっちでもいいの!」*13

ともみ「ふん!
    屁理屈ばっかり言ってると、女の子に
    嫌われるぞ。」
俊夫 「じゃ、ともみには嫌われないで済むね。」

ともみ「ばれちゃった。」

ともみ「それでいい‥‥‥ 充分‥‥‥
    もう、何も言わなくてもいい‥‥‥」
俊夫 「ともみ‥‥‥」

ともみ「‥‥‥やっぱり、俊夫なんだな‥‥‥」

有美 「こんちゃっ! 一人?」

有美 「もう出来たの?」
俊夫 「もうすぐ出来るの。」

俊夫 「ま、いいんじゃない?」
有美 「ま、美味しいからいいかぁ。」

有美 「ほら、やっちゃいなさいよ。」
俊夫 「いいよ、やらない。」

有美 「俊夫君は、そんな言い方しない。
    私は、俊夫君にだけ普通の女の子なんだもん。
    それ、嬉しいんだ。」

俊夫 「あ、あの、あのあのあのあの‥‥‥」
萌  「‥‥‥あはっ。」

萌  「あははっ、うそつきだぁ~。」

俊夫 「へっへ~、先に言っちゃったぁ‥‥‥」
萌  「え‥‥‥ ええっ!!!」
俊夫 「こういう事は、女の子から、言わせる事じゃ
    ないしねぇ。」

萌  「‥‥‥俊夫 ‥‥‥君‥‥‥」
俊夫 「おやすみ、萌。」

俊夫 「ど、どうしよう? 帰るかい?」
千里 「‥‥‥」
千里は黙ったまま、首を横に振った。
俊夫 「‥‥‥家、来る?」
千里は黙ったまま、今度は首を縦に振った。

千里 「恋は、惚れた方が負けやねんで。」
   「傷つけられても、後で悲しい目にあっても‥‥‥
    何も言えへんねん。」

千里 「‥‥‥好きな。」



背景→AngelHaloをくすり風に
どこかで入れたかった全員集合 Dear, my "Ring Finger".


*1:選択で物語が変化するノベルゲームを指す。有名作に「ポートピア連続殺人事件」「かまいたちの夜」「逆転裁判」など。ADVと呼ばれることが多い

*2:ゲームボーイやプレステのように本体を買えばすぐ遊べるわけではなく、セットアップをはじめ、場合によっては環境(周辺機器)を揃えてやっと遊べるようなことが当たり前。音を鳴らすだけでもサウンドボードが必要だったり、ソフトもハードもお金がいくらあっても足りない!

*3:現役のイラストレーター・漫画家。90年初期の頃はドッター(ソル・モナージュ)として、その後は原画やコラムニスト(電撃G's)として活躍。 メロンブックス "めろんちゃん" の作画も長く担当

*4:ゲイツシンセのオルゴールもFMとMIDIを混ぜたような音でわりと好きだったり

*5:そもそもの仕組みが違うため統一するのが困難。MIDIBPM単位だが、FMはTimerA/B単位で制御

*6:現代ではモバゲ・アプリ・フリゲやSteamを経て短編ゲームを好むプレイヤーが増えているので、人によってはメリットにも成り得るか

*7:発言と行動がチグハグ、攻略ヒロインが主人公の引き立て役と化す など

*8:再現料理ってジ○リやグルメ作品によくあるけど、エロゲ飯って何気に未開拓な分野では?

*9:エンコードの際に色味が変わるため(RGB→YUV420)

*10:“純愛あり!純愛あり!!純愛あり!!!ギャグあり!?” [アクティブ・ソフトウェア・ラインナップ January 1999]

*11:バカ売れというほどでもないが、音楽としては間違いなく売れた。カラオケボックスふぃぎゅ@メイト歌う子どもの声音が聴こえた時は耳を疑った

*12:
>> ぽえーん!! <<

   「にんていしょう」   
 あなたさま
 どの
 
◆あなたは はてなブログちほーにおいて
 たしかに どせいさんのわなを ふんだことを
 みとめます 。
 
◆このばしょは
 ほかの えつらんしゃには
 ひみつにしておいてください 。

*13:低劣? 性別。